明日をつくる未来へはこぶ
- カトーレック株式会社
- 2018.09.10
- 香川県高松市他
物流のトータルソリューションの提供、電子機器の製造受託サービス、四国のくらしと文化を後世に伝える活動。
これらはすべて、「カトーレック」というひとつの会社の事業だ。異なる事業を展開する理由は、会社の歴史にある。創業は1877年。本州と四国を結ぶ海運事業から始まり、物流事業に進出する中、1980年代に物流事業の取引先から、電子部品の組み立てを受注した。ここからエレクトロニクス事業に参入し、現在ではロジスティクス事業とエレクトロニクス事業を掛け合わせた「ロジトロニクス企業」として唯一無二の会社となった。
今回、そのようなカトーレックで活躍する若手社員2名と人財部の方からお話を伺った。
EMS事業本部・営業統括部で生産工場とお客様の調整を担当する富山さんは大阪のハードウェア・ソフトウェア設計受託会社での勤務を、また、資材統括部で部品調達を担当する西村さんは東京の部品商社での勤務を経て、カトーレックに転職した。お二人には転職者の視点からカトーレックのことを語ってもらった。さらに、管理本部・人財部で勤務するプロパー社員の市川さんは、全社的な視点からカトーレックのことを語ってくれた。
――転職したきっかけ、経緯、なぜカトーレックだったのか
富山:前職では、主要な取引先の経営環境が変化して仕事が大きく減ってしまい、先行きが見えない状態でした。当時、社会人3年目で仕事の基礎が分かってきた時期なのに、同世代にスキルが離される焦りを持ち、この会社に居続けていいのかと不安を感じていました。カトーレックは、ロジスティクス事業を安定的に展開しつつ、エレクトロニクス事業で積極的に海外進出しています。それぞれの事業規模も大きく、ひとつのことで会社全体があおりを受けるような企業ではないことや、前職と同じ業界であることから安心感がありました。
西村:元々ものづくりが好きで、劇的に変化する電機電子業界に魅力を感じて以来、電子部品関係の仕事に携わっています。その点、カトーレックはEMS業界において、国内トップクラスの規模があり、海外にも多数の拠点を持っています。さらに回路設計や基板実装、完成品の組み立てまで行っていることから、今後キャリアアップしていく中で、様々な実務をひとつの会社で経験できると感じました。また、前職を辞めてから2年程海外を放浪していたのですが、そこでどういう生き方をしたいかを考え、やはり家族が大事だと思うに至りました。香川にひとりで住む祖母と暮らしながら働こうと考えた結果、香川を選択し、やりたい仕事を探した中にカトーレックがありました。
新卒時はとりあえず経験が積めることや、若手をどんどん海外に起用してもらえることを基準に会社を選びましたが、今はプライベートと仕事の両方を重視しています。アウトドアが好きなので香川県は「住みやすい」と感じますし、何より家族といっしょに暮らせることが良いですね。
富山:新卒時から四国で就職する意志はありました。できるだけ地元である徳島の近くが良いと思い、関東の会社は受けませんでした。高校・大学の友達は、徳島に残っている人が多いためです。
――多様な経験を積める事業展開
西村さんが、カトーレックで働く1番のモチベーションとして挙げるのは「多様な経験が積める環境」だ。ロジスティクス事業の幅広い事業範囲はもちろん、エレクトロニクス事業も設計から完成品まで幅広く扱い、経験できる業務や接する関係者は多岐に亘る。
西村:前職は部品を売る側であり、ひとつの製品群しか担当していませんでしたが、今は売る側と買う側の両方を学ぶことができます。また、カトーレックは完成品まで仕上げるので、設計や製造の技術者、品質管理の担当者など多くの方からいろいろな知識を学ばせてもらっています。
市川:ロジトロニクスには大きく2つの強みがあります。1点目は、異なるふたつの事業があることで、リスクの分散・経営の安定化が図れる点です。2点目は、ロジスティクス事業とエレクトロニクス事業の双方のノウハウを生かし、シナジー効果を生むことができる点です。例えば、工場での生産管理のノウハウを、物流の工程等に生かすことができます。幅広い領域をカバーでき、ロジスティクス事業とエレクトロニクス事業の良いとこ取りでお客様に新しい価値を提供していくことができます。また、ふたつの異なる事業を行うことで新しい話の展開や提案が生まれることがあると思います。
――働いて感じる、「現場」との距離の近さ
カトーレックは「現場主義」を掲げ、「現場」を大切にする風土を持つ会社である。3名の声からも、現場との距離の近さが業務にポジティヴな影響を与えていることが垣間見えた。
富山:現場を見て理解して話すのと、又聞きでお客様に伝えるのとでは説得力が違います。前の会社では製造現場が外注先であるため、気軽に聞けませんでした。今は分からないことはすぐに聞けますし、工場に出向けば現物を見ることができます。お客様と工場で現物を見ながら打ち合わせができ、質問があると現場の人たちが助言をくれるので、安心感が違いますね。
西村:私も前職は、製造する機械を持っていませんでした。今は何かあると、工場に行ってどういう問題が起きたか直接話ができます。他の会社が間に入ってワンクッションあるのと比べ、いち早く現場で状況を把握し行動できますね。
市川:利益を生み出すのは常に現場です。現場を知らなければ本当の答えは出てきません。実際に現場に行き、物を使う人や運ぶ人に話を聞き、具体的に理解することは社内的にも大切にしています。若い社員も、問題が起きたときに現場に行くことが多く、距離の近さゆえ、自分の身をもって現場を体験できます。
余談ですが、職員を採用する際には必ず社長や役員の面接があります。社長や役員も、実際に現場に行って社員とコミュニケーションを取るなど、経営層と現場の距離がとても近いですね。
一方で各営業所や工場の経営は、所長に任されており、社内で承認されれば新しい取り組みも行えます。若い社員にもそれが伝わっているので、どんなことをやりたいか積極的に考えて行動できる人にとっては、どんどん挑戦できる会社だと思います。マネジメントでは、責任のある仕事を任せていき、背伸びすれば届きそうな目標を与え成長を促します。若手のやりたいことも止めずにどんどん挑戦してもらう環境です。
富山さんは、そのような環境で働く中で、「人」に大きな魅力を感じており、それが仕事のモチベーションにつながっているという。
富山:海外で活躍されている方や現場を熟知されている方など「こういう人になりたい」と思える上司や先輩がたくさんいます。例えば、工場出身の営業担当の方は工程を深く理解しているため、見積についてお客様と話をする際に「なぜこの金額なのか」を詳細に説明できます。また、業務を教えてもらう際に「こんな考えもあるのか」と感心させられる方も多いですね。「次はこの人に習って、スキルを磨いていけば自分もこうなれる」と明確なビジョンが持てます。
――「高松」という場所の持つ意味
市川:1877年から始まった弊社のルーツはここ高松の地であり、ずっとこの地で育ててもらいました。元々が物流のネットワークを構築して大きくなった会社です。四国の商圏は狭いかもしれませんが、その物流のネットワークの中から、実際にエレクトロニクス事業が生まれています。
弊社の文化事業である四国民家博物館「四国村」は、高松や四国に恩返しするための事業です。昔の四国の暮らしぶりを後世に伝えていこうとしているのは、カトーレックのルーツが高松だからです。
弊社は、高松あるいは香川という土地・人・衣食住・暮らしの中で育まれた会社であり、外から入ってきた人でもすごくほっとする、ここで良かったという想いを持っています。東京に本社がある、やや無機質な会社ではなく、ルーツが高松・香川というところに、都市部の会社とは違うカトーレック特有の企業文化の源泉があるかもしれません。
カトーレックの「レック」の部分をアルファベットで表記すると、「LEC」である。LECは、LogisticsのL、ElectronicsのE、そしてCultureのCを表している。カトーレックという会社の文化と、高松の文化は、切っても切り離せない関係にある。だからこそ、カトーレックは四国村という文化事業を高松で行い、高松に工場等の事業基盤を持ち、ルーツである高松を大切にし続けている。
――カトーレックの社員が見据える未来
富山:営業担当なので長期の赴任はありませんが、1度は海外を経験してみたいですね。「若手を海外に」という話も出ていますし、行かないと現地の空気感が分からないので。今は国内業務を担当していて、貿易や為替等の知識が乏しいため、海外工場の案件にできるだけ関わって知識を得るようにしています。海外事情を含め、今足りない知識を補完しておきたいですね。
ただし、女性は結婚・出産という大きな変化がいつ起きるか分かりません。そういう意味で、地元が近いのは良いことだと思います。やはり、何かあったときに1番頼りになるのは親であり、「親が近くにいる」ことで安心感があります。また、カトーレックは育児休暇や産休を取る方も多く、出産した後、仕事と子育てを両立しやすい職場であり、そういった面でも安心して仕事に打ち込めます。
西村:短期的な目標としては、部品の性能や価格に関する知識を深めること、メーカーとの人脈を築くことにつきます。中期的には、ある程度自分でプロジェクトを持ちつつ、後輩に任せられるようになりたいです。長期的には、その実力を持って海外に行きたいですね。海外では、購買だけではなくいろいろな業務を自分でアレンジする必要があります。売る側と買う側の実力を備え、人を育てることを学んだ上で、海外でそれを実践したいですね。
市川:現在、弊社が注力しているのはロジトロニクスの更なる強化と、グローバル化の推進です。エレクトロニクス事業はもとよりロジスティクス事業も海外拠点が増えています。国内の事業拡大だけでなく、どんどん海外に視野を向けて拡大していく考えです。現場主義は不変ですし、高松を離れるということもありません。また、弊社はスピード感を持って変化に対応できる会社になることを目指しています。長く続いている会社だからといって、四国にあぐらをかいて仕事をして良いわけがありません。今の業態だけにこだわらず、時代のニーズに合った業態に変化していく、新しいことに積極的にチャレンジしていく、そういう雰囲気が社内にあります。高松発のグローバル企業であり、大きく言えば日本発のグローバル企業として、日本のものづくりの良さを、よりダイナミックに、グローバルに、お客様と共に成長しながら展開していく、そんな志のある企業が四国にもあるということを知っていただければと思います。
●カトーレック株式会社の採用ホームページはこちら
http://www.katolec.com/RECRUIT/index.php
制作:四国経済連合会
取材:一般社団法人四国若者会議
四国へ就職・転職し、